●八王子神社／山梨県南巨摩郡身延町粟倉（あぐら）1269
この蚕神塔（呼び名も知らない）について教えてください。
境内に道祖神と並んでいます。
6年前の撮影です。
「蚕守護神鎮座」とあります。
この銘文を初めてみたので撮影した記憶があります。
想像するに
「お蚕さんを守護する神様が此の石碑を依代として鎮座しているので恭しく頭を下げて手を合わせなさい。」
と言う意味なのでしょうか？
またこのタイプは珍しいのでしょうか？
（土橋）
看板的というか、告知的要素があるのでは。
この神域には蚕守護神が鎮座されています。
という意味では。
社頭にでもあれば間違いないでしょう。
（水）
「石碑」と言う固有物質・狭い範囲ではなく、もちっと広く「この場所に」ではないか？と（私は）思います。
（赤城）
●八王子神社／山梨県南巨摩郡身延町粟倉1981
南側近くの八王子神社にも「蚕神」塔があります。
（ストリートビューより参考）
このほか、身延町の蚕神塔です。
（土橋）
●七面堂／山梨県南巨摩郡身延町大塩1503
「蚕影大神」
●諏訪神社／山梨県南巨摩郡身延町大塩2767
「蚕影山」
●七面堂八幡宮／山梨県南巨摩郡身延町八日市場1986
「蚕神」
●金毘羅神社／山梨県南巨摩郡身延町中山106
「蚕影山」
●八幡神社／山梨県南巨摩郡身延町市之瀬1666
「蚕影大神」
＜参考＞あつぎ郷土博物館（神奈川県厚木市）
身延七面山で出された掛軸（市内の個人宅より収蔵）
「蚕養大明神」と書かれた馬鳴菩薩像。
厚木市内では日蓮宗寺院も養蚕信仰を広めていたようだ。
＜以下、「身延町誌 第四節 養蚕業」より引用
古老の話によると、江戸時代の末期から養蚕経営をしていた農家も相当数あったとのことである。しかし飼育はきわめて小規模なものであったようである。
大正5年頃の「町村取調書」によると、養蚕業についての当時の実態が次のように記されている。（原文のまま）
○下山……蚕業は、郡中最も早く開けしが、水害後（注明治43年の大水害と思われる）耕地の減少したため、出稼者が多く、従って桑園の管理に力を注がず、蚕業は割に発達せず、養蚕飼育戸数五十五戸。
○身延……桑園は作られやや発達しつつあるも、他の町村と比べれば其の数、かぞえるに足らず、本町に製糸工場あり。
○大河内……蚕業は、東河内領、最も幼稚にて明治二十年頃までは「直二重箱飼い」の状態なりしなり。その後、一般会社の風潮に伴い、その必要を感じ、桑園栽培がふえ、飼育上の改善に注意し、五・六年前より、長足に進歩した。帯金は比較的早く養蚕業開く、大島に製糸工場あり。
大河内地区の大島、豊岡地区の清子においては、原蚕種の飼育が行なわれていた。昭和5年（1930）に、片倉製糸の指導によって、始めて飼育がなされた。
「養蚕実行組合」は昭和6～7年に各地区に設立された。（山梨蚕糸要鑑）