●高根山 大宝寺／静岡県浜松市浜名区尾野2618-1
少し前に入手した、浜松市に所在する高根山 大宝寺さん（曹洞宗）の御尊影（掛軸2種類と御影札1種類）。
同寺の境内には神仏習合時に背後の山腹に鎮座する高根神社に祀られていた尊像を安置する観音堂があり、筑波から勧請された蚕影観音（掛軸の左側）も奉安されています。
なお、神社参道には蚕養神社の小祠もありましたが2022年の台風による土砂崩れで埋没しました。
また、勧請された時期も含め これらの資料に関して昨年同寺に書面で照会を行いましたが返信はありませんでした。
（一魁斎）
＊「尾野の歴史」サイトによると、
明治5年（1873）6月2日 神仏分離により、高根神社から観音像二体下山する（「金刀比羅神社沿革誌」より）
明治10年（1878）9月28日「大宝寺観音堂祭る」観音堂を他所より移築し、聖、馬頭、蚕影の三観世音を祭る（「大宝寺落慶記念誌」より）
とあることから推測すると、
「蚕影観音」は「蚕養神社」（稚産霊神）を併せて三尊とされたのかも。
また「蚕養神社」は、かつては養蚕関係者が、豊産を祈って社前の白い玉石と、高根山に自生する羊歯を頂いて帰った、と伝わっているようです。