●宇氣河口神社／鳥取県米子市内町111
天女の七夕伝説が残されていて、地元では「七夕神社」と呼ばれています。
稲苗や蓮の葉に溜まった露を集めて硯に入れ、墨をすり、その墨で願い事を書いて笹に結び、小豆飯や瓜をお供えして祭り、笹竹は7日朝に川や海にながします。
米子の旧町の人々は昔加茂川に流していたところ、京橋の辺りで笹竹か川を埋め尽くし、旅客船や商業船の運行に支障をきたしたため、宇氣・河口神社へ笹竹を持ち寄り、七夕祭りを行われているということでした。
＜天女の羽衣伝説＞
昔、天女が天から降りて水浴びをしていたら、そこに村の若者が通りかかり、天女の羽衣を持って帰り、隠した。
天女は羽衣がないので天に昇れず、しかたなくその男と結婚し、子どももできた。ある日、彼女は男が稲束の下に隠しとった羽衣をみつけ、それを着て天に帰ってしまった。
天女は天に帰る時、夕顔の種を残して帰ったので男はそれを播いたところ、蔓は天まで伸びた。男は蔓を昇って彼女と再会し喜んだが、彼女の父からは「竹篭で水を汲め」などいろいろ難題を出された。
これを天女の助言で切り抜け、最後に「瓜畑の番をしながら瓜を割れ」と言われた。彼女は、瓜を割る時は横に割るように、よくよく教えたが男はうっかり縦に割ってしまった。
すると瓜の中から大水が出て川になり、2人は川の両岸に分けられてしまった。そこで彼女は大声で「7日・7日に会いましょう」と言ったのを、こなどじ男が7月7日と聞き違えたために１年に１回しか会えんようになったし、それでこの日は雨がよう降るんだと。
（昔話「天人女房」）
倉吉では、天に帰った母を慕って子が山上で太鼓を打ち笛を吹いた、その山が打吹山。羽衣を置いた所が羽衣石山の羽衣岩。と語られます。
（米子市「宇気 ・ 河口神社の七夕祭り」より）